Windows 10の「メモリ整合性」は、悪意あるコードからPCを守るための重要なセキュリティ機能です。しかし、設定画面でオンにしようとしてもグレーアウトしていたり、エラーが表示されて有効化できないケースがあります。特にドライバーの互換性や、システムの構成が原因となっていることが多く、初心者にとっては対処に困るポイントです。
iobitのこの記事では、「メモリ整合性」を有効にできない原因を詳しく解説し、誰でも簡単に試せる対処法をステップごとに紹介します。PCの安全性を高めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
メモリ整合性とは
メモリ整合性は、Windows で使用できる仮想化ベースのセキュリティ (VBS) 機能です。この機能は以下のセキュリティ保護を提供します:
Windows カーネルを悪用しようとするマルウェアに対して強力な保護を提供
カーネルモードドライバーの制御フロー保護
カーネルプロセスの保護
システムの侵害に使用できるカーネルメモリ割り当ての制限
メモリ整合性をオンにする方法
メモリ整合性(Memory Integrity)は、Windows 10の重要なセキュリティ機能の一つで、コア分離(Core Isolation)の一部として提供されています。この機能をオンにすることで、悪意のあるコードが高セキュリティプロセスにアクセスするのを防ぎ、システムのセキュリティを強化することができます。
1.設定を開く:
スタートメニューから「設定」をクリックします
「更新とセキュリティ」をクリックします
2.Windows セキュリティに移動:
左側のメニューから「Windows セキュリティ」を選択します
右側の「デバイス セキュリティ」をクリックします
3.コア分離設定を開く:
「コア分離の詳細」をクリックします
4.メモリ整合性をオンにする:
「メモリ整合性」の横にあるスイッチをクリックして「オン」にします
変更を適用するために「再起動」ボタンをクリックします
メモリ整合性がオンにできないの主な原因
互換性のないドライバーの存在
→古い、または署名されていないドライバーが「メモリ整合性」をブロックすることがあります。
Windowsのバージョンが古い
→ アップデートが適用されていないことで不具合が生じる場合があります。
レジストリ設定の問題やセキュリティソフトの干渉
→ 一部の設定やソフトが影響を与えている可能性があります。
メモリ整合性がオンにできない時の対処法
対処1:互換性のないドライバーを確認と削除
①互換性のないドライバーの確認方法
メモリ整合性をオンにしようとすると、「互換性のないドライバーを解決してから、もう一度スキャンしてください」というメッセージが表示される場合があります。
1.「Windowsセキュリティ」→「デバイスセキュリティ」→「コア分離の詳細」を開きます
2.「互換性のないドライバーを確認する」をクリックして、問題のあるドライバーを確認します
②互換性のないドライバーを削除する
1.「互換性のないドライバーを確認する」をクリックして表示されたドライバーを確認します
2.各ドライバーのファイルのプロパティを開き、セキュリティタブでフルコントロールの権限を付与します
ユーザーアカウントを選択し、「編集」をクリックします
「フルコントロール」に許可のチェックを入れます
「適用」→「OK」をクリックします
3.権限を付与したら、ドライバーファイルを削除します
4.すべての互換性のないドライバーを削除したら、「再スキャン」をクリックします
5.メモリ整合性をオンにして再起動します
「Driver Booster」ツールを利用して互換性のないドライバーを修正する
以上の方法は複雑と思う方は、簡単な方法をご紹介します。
ここで、Driver Boosterをおすすめします!このツールは、互換性のないドライバーを確認および修復するための便利なツールを提供します―「互換性のないドライバーを修正」
ステップ1.Driver Booster を起動し、「ツール」タブに移動し、「互換性のないドライバーを修正」を見つけてクリックして開きます。システム内の互換性のないドライバーが自動的にチェックされ、表示されます。
ステップ2.修正したい互換性のないドライバーを選択し、「修正」をクリックすると、自動的にバックアップが開始され、対応するドライバーが削除されます。
さらに、「互換性のないドライバーを修正」は、コンピューターに互換性のない新しいドライバーがあるかどうかを定期的に自動的にチェックし、ウィンドウ プロンプトを表示します。指示に従って互換性のないドライバーを修正できます。設定オプションから自動チェックをオフにすることもできます。
対処2: Windowsセキュリティをリセットする
1.スタートメニューから「設定」を開く、または Windows キー + I を押す
2.「アプリ」をクリック
3.「アプリと機能」を選択(バージョンによって表示が異なる場合があります)
4.インストール済みアプリの一覧から「Windows セキュリティ」を探す
5.「Windows セキュリティ」をクリックして展開、または右側の「詳細オプション」を選択
6.「リセット」ボタンをクリック
7.確認のダイアログが表示されたら、再度「リセット」をクリック
8.リセット完了後、PCを再起動して変更を適用
対処3: システムファイルの修復
Windowsのシステムファイルが一部破損していることが原因で、メモリ整合性の設定をオンにできないケースが考えられます。
コマンドプロンプトで sfc /scannow を実行し、破損したシステムファイルを修復します。以下の手順で操作してください。
1.「スタート」ボタンを右クリックし、「Windowsターミナル(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」を選択。
2.以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します:
sfc /scannow
3.システムファイルのスキャンと修復が自動で始まります。
4.修復が完了すると、結果が表示されます:
「破損したファイルが見つかり、正常に修復されました」
「整合性違反は検出されませんでした」など
5.修復後は、一度PCを再起動して、問題が解決したかを確認してください。
対処4: 最新のWindowsアップデートを適用
1.左下の「スタート」ボタンをクリックします。
2.歯車アイコンの「設定(またはWindowsの設定)」を選択します。
3.「Windows Update」タブを選択
4.左側のメニューから「Windows Update」をクリックします。
5.利用可能なアップデートがある場合、自動的にダウンロードとインストールが開始されます。
6.インストールが完了したらPCを再起動
対処5: BIOS設定の確認(仮想化機能の有効化)
1.PCを再起動し、メーカーによって異なるキー(例:F2, Delete, F10, ESCなど)を押してBIOS/UEFI設定に入ります。通常、起動時に画面下部に「Press ○○ to enter Setup」と表示されます。
2. メニュー内の「Advanced」や「CPU Configuration」などを探してください。
3. 仮想化機能(Virtualization Technology)を有効にする
下記のような設定項目を「Enabled」に変更します。
Intel VT-x →「Intel Virtualization Technology」
AMD-V →「SVM Mode」や「AMD Virtualization」
4. F10キーなどで設定を保存し、再起動します。
対処6:Windows機能を有効にする
仮想マシンプラットフォームとWindowsハイパーバイザープラットフォームが有効になっていないことが原因の場合もあります:
1.「Windowsの機能の有効化または無効化」を開きます
2.「仮想マシンプラットフォーム」と「Windowsハイパーバイザープラットフォーム」にチェックを入れます
3.「OK」をクリックし、変更を適用して再起動します
対処7:クリーンブートを実行する
ドライバーの競合が原因の場合、クリーンブートで解決できる場合があります:
1.「Win + R」キーを押して「msconfig」と入力し、「OK」をクリックします
2.「全般」タブで「スタートアップのオプションを選択」を選択し、「システムサービスを読み込む」のみにチェックを入れます
3.「サービス」タブに切り替えて「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェックを入れ、4.「すべて無効」をクリックします
5.変更を適用してPCを再起動します
まとめ
メモリ整合性は、サイバー攻撃からPCを守るための大切な機能です。オンにできない場合は、今回ご紹介した方法を順番に試してみましょう。ドライバーの更新や不要ソフトの見直しは、パフォーマンス改善にもつながる一石二鳥の対策です。万全なセキュリティ環境を整えるためにも、ぜひ本記事を活用してみてください。